国内初の水素混焼エンジンタグボート「天歐」お披露目会に出席しました
JRCS株式会社は1月14日、2025年10月に竣工した水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐(TEN-OH)」のお披露目会に出席しました。
「天歐」は、日本財団が推進するゼロエミッション船プロジェクトの実証船として建造されたもので、国内で初めて水素混焼中速エンジンを搭載したタグボートです。2025年12月には、水素とバイオディーゼル燃料(B100)を組み合わせたゼロカーボン航行の実証に世界で初めて成功し、港湾の脱炭素化に向けた大きな成果として注目されています。
今回の実証では、A重油に水素を混ぜて燃焼させることで、従来のA重油専焼時と比べて約60パーセントのCO2排出削減が確認されました。これは、運転時にエンジンが必要とするエネルギーの約60パーセントを水素でまかなう状態を実現したことによるもので、タグボートのように高出力が求められる船種において、運航性能を維持したまま大幅な排出削減が可能であることを示す重要な成果です。海上試運転では、速力・操船性・曳航力のいずれもA重油専焼時と大きな差は見られず、実用面での有効性も裏付けられました。
本船の建造および水素混焼エンジンの開発は、ゼロエミッション船プロジェクトの中核企業であるジャパンハイドロ株式会社がリーダーとして推進しており、国内における水素エンジン技術の確立に大きく貢献しています。JRCSは同プロジェクトに参画する一員として、水素供給設備および水素貯蔵設備を統合的に制御・監視する「水素制御盤(Hydrogen Control Panel)」を納入し、安全かつ安定した水素混焼運転を支える役割を担っています。
JRCSが提供した水素制御盤は、供給・充填モードの自動切替、遠隔制御弁の自動制御、インターロックによる安全制御など、水素混焼運転に求められる高度な安全性を確保する中核装置として機能しています。異常発生時には自動的に水素供給を停止しA重油専焼モードへ切り替えるなど、ゼロエミッション船の実用化に不可欠な信頼性を備えています。
同プロジェクトは今後、2026年度に水素専焼中速エンジンを搭載したカーフェリーの竣工が予定されており、完全ゼロエミッション船の実現に向けた開発がさらに加速します。また、洋上水素ステーションの整備や、水素高速エンジン搭載内航タンカーの実証も進められており、2030年の水素燃料船本格実用化、2050年の内航船ゼロエミッション化というロードマップに沿って、取り組みが段階的に拡大していきます。
水素をはじめとする新燃料の普及は海運業界の脱炭素化に向けた重要なテーマです。
JRCSは今後もゼロエミッション船の開発・実証に積極的に参画し、持続可能な海事産業の実現に向けた技術革新を支えてまいります。

お披露目された水素混焼エンジン搭載タグボート「天鷗」

JRCS製の水素制御盤を搭載しています。

配電盤・始動器盤もJRCS製です。
